2020年の薬価収載品は1万4041品目と言われていて、2019年の品目数から2469品目減少しています。それでも1万以上の薬品が収載されている中で、一般的な薬局では2000品目くらいと仮定すると1万以上は初めて出会う医薬品ということになります。処方箋がきたときについついコレだよねっているのが、入力を進めてみると実際は違ったなんてこともありませんか。
注意したい一般名一覧
バルプロ酸ナトリウム
【般】バルプロ酸Na徐放錠200mg |
第十七改正日本薬局方第二追補において、新たに製剤の溶出性に応じ1日1~2回服用の製剤は「A錠」、1日1 回服用の製剤は「B錠」と追加収載されたため、東和薬品は名称を『バルプロ酸Na徐放B錠』→『バルプロ酸ナトリウム徐放錠A』に変更という小さな事件が起きたことは有名な出来事です。
※2021年現在はバルプロ酸徐放錠はセレニカの後発品はないのでデパケンR、バルプロ酸SR、バルプロ酸徐放錠Aだけなので少しわかりやすいと思います。
【般】バルプロ酸Na細粒40% | デパケン細粒40% |
【般】バルプロ酸Na徐放顆粒40% | セレニカR顆粒40% |
ニフェジピン
【般】ニフェジピン徐放錠10mg(12時間持続) | アダラートL |
【般】ニフェジピン徐放錠10mg(24時間持続) | アダラートCR |
テオフィリン
【般】テオフィリン徐放錠200mg(12~24時間持続) | テオドール |
【般】テオフィリン徐放錠200mg(24時間持続) | ユニフィルLA、ユニコン |
テオフィリン徐放U錠は24時間持続型、テオフィリン徐放錠は12時間型と後発品名称まで様々なので注意が必要になります。
メトホルミン塩酸塩
【般】メトホルミン塩酸塩錠250mg:GL | グリコラン |
【般】メトホルミン塩酸塩錠250mg:MT | メトグルコ |
メトホルミン塩酸塩250mg「トーワ」はメトホルミン塩酸塩250mg:GL、メトホルミン塩酸塩500mgMT「トーワ」はメトホルミン塩酸塩錠500mg:MTと非常に紛らわしい
サラゾスルファピリジン
【般】サラゾスルファピリジン錠500mg | サラゾピリン |
【般】サラゾスルファピリジン腸溶錠500mg | アザルフィジンEN |
リバビリン
【般】リバビリン錠200mg:RE | |
【般】リバビリンカプセル200mg:RE |
コペガスの販売中止に伴ってリバビリンはあまり注意しなくて良くなりました。安心です。
デキサメタゾンが頭文字
【般】デキサメタゾン軟膏0.1% | デキサメタゾン軟膏 |
【般】デキサメタゾンプロピオン酸エステル軟膏0.1% | メサデルム軟膏 |
上記の2つは同じ0.1%ということもあり注意が必要です。デキサメタゾン軟膏はマイルドに、デキサメタゾンプロピオン酸エステル軟膏はストロングに分類されます。また、デキサメタゾン吉草酸エステル軟膏がボアラ軟膏(ストロング)などデキサメタゾンが頭文字の薬剤は注意が必要になりますね。
プレドニゾロンが頭文字
【般】プレドニゾロン軟膏0.5% | プレドニゾロン軟膏 |
【般】プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル軟膏0.3% | リドメックス軟膏 |
プレドニゾロン軟膏はウィーク、リドメックスはマイルドに分類されます。これは%が異なるので注意しやすいですね。
ベタメタゾンが頭文字
【般】ベタメタゾン吉草酸エステル軟膏0.12% | リンデロンV軟膏 |
【般】ベタメタゾン酪酸プロピオン酸エステル軟膏0.05% | アンテベート軟膏 |
チモロール配合点眼
【般】ラタノプロスト・チモロール配合点眼液 | ザラカム配合点眼液、ラタチモ配合点眼液 |
【般】ドルゾラミド・チモロール配合点眼液 | コソプト配合点眼液、ドルモロール配合点眼液 |
【般】トラボプロスト・チモロール配合点眼液 | デュオトラバ配合点眼液、トラチモ配合点眼液 |
あまり眼科の処方箋が来ないので点眼剤苦手です。このあたりになると毎回調べてから出すようにしています。一般名処方と後発品名が異なるので覚えることが多くなりますね。
ヘパリン類似物質
【般】ヘパリン類似物質軟膏0.3% | ヒルドイドソフト軟膏0.3%、ヘパリン類似物質油性クリーム0.3% |
【般】ヘパリン類似物質クリーム0.3% | ヘパリン類似物質クリーム0.3%、ヒルドイドクリーム0.3% |
【般】ヘパリン類似物質外用液0.3% | ヒルドイドローション0.3%、ヘパリン類似物質ローション0.3% |
【般】ヘパリン類似物質スプレー0.3% | ヒルドイドフォーム0.3%、ヘパリン類似物質外用泡状スプレー0.3%、ヘパリン類似物質外用スプレー0.3% |
【般】ヘパリン類似物質ゲル0.3% | ヒルドイドゲル0.3%、ヘパリン類似物質ゲル0.3% |
先発品、後発品の好みの分かれる(医師も患者も)製剤のイメージがあります。ヘパリン類似物質スプレーの処方が出たので、ローションタイプのもので持っていたら、泡と聞いていたと言われたり、92gと書いてあるのでフォームで調剤したら後発品を希望したり(地域によって疑義の要不要が分かれるみたいです)、結構最初の確認が重要です。
タダラフィル
タダラフィルZA | ザルティア |
タダラフィルCI | シアリス |
タダラフィルAD | アドシルカ |
ここまで薬効が大きく変わる薬剤も珍しいと思いピックアップしてみました。作用は同じでも排尿障害、勃起不全、肺高血圧症と様々になります。さすがに取り違えはないと思いますが、患者の病態だけは間違わないようにしないといけません。
まとめ
以上が私が一般名処方に困惑した例です。
PMDAにもヒヤリハットが定期的に紹介されますので取り違えに注意して運営してください。