地域の薬局を目指すと必ず付き合いが出てくるのが地域包括支援センターです。地域の情報や高齢者の情報を集約している施設になります。
深く知る必要性はありません。重要なのはどのような情報を持っている施設なのかわかることとと、具体的に何を話せばよいかです。
地域包括支援センターとは何か
高齢者の暮らしを地域でサポートするための拠点として、自治体などにより設置されている機関です。
「在宅医療・介護の連携」「生活支援コーディネーター」「介護予防の推進」「地域ケア会議の主催」など様々な点で活躍をしている、在宅介護生活を送るうえでは、なくてはならない存在です。
私自身が考える薬局と地域包括支援センターとの連携の重要ポイントは、単なる在宅の起点だからというわけではありません。地域包括支援センターが「高齢者の生活上の困りごとに対して、総合的に相談に乗ってくれる場所」という複合施設だから連携を強化するべきなのです。
どのような人員配置になっているのか
主任ケアマネジャー
介護のプロフェッショナル
・介護全般 ・ケアマネ支援 ・相談 ・困難事例 ・多問題家族 ・虐待問題
・サービス事業者連携 ・事業者の質の向上
保健師
医療・保険の分野のサポート
・健康 ・医療 ・介護予防 ・地域支援事業 ・虐待問題
社会福祉士
福祉制度のプロフェッショナル
・介護や生活支援 ・消費者被害 ・困難事例 ・多問題家族 ・虐待問題 ・成年後見制度の利用援助
どのようにコミュニケーションを深めれば良いか
薬局薬剤師から地域包括支援センターに電話をするようにしてください。理由は簡単です。地域包括支援センターは中学校区で1つくらいのイメージで置かれているので、複数の薬局が対象となっています。そのために地域包括支援センター⇒薬局というルートでは自身の薬局が抜けている可能性がありますし、さらに地域包括支援センター側からすると「薬局は連携を望んでいないのでは?」という負の忖度が始まってしまい連絡が来ない可能性もあります。
それでは何から連絡をすればよいのが一緒に考えてみましょう。私の経験上ではどのような内容で電話をスターしても構いません。そのくらい地域包括支援センターの職員さんは優しい方が多くいます。
STEP1
地域ケア会議の日程を電話で確認してみましょう。
地域包括支援センターは地域ケア会議の総合的な窓口です。地域包括支援センターは地域と高齢者を結びつける組織なので、薬局が地域ケア会議に参加することに関しては全員がポジティブに捉えてくれます
STEP2
独居高齢者などの情報提供(服薬情報など)してみましょう。
地域包括支援センターは地域の独居高齢者などの情報を持っています。その患者さんが介入が必要なのかも含めて薬剤師から見た情報を提供してみてください。薬局側としても地域に継続的にかかわりを持とうとするということがアピールになります。
STEP3
介入を希望される方がいないかチェックしてみましょう
地域包括支援センターの方と話をしてみると「薬のことで迷っているけれど、どこに相談したらよいか」と感じていると話がありました。そんなときに薬局から「一度訪問して薬のチェックしてみませんか」と手を差し伸べられたら良いでしょう。私の場合もこの流れで新規の在宅患者さんの紹介をもらいました。
まとめ
メリットがなければ継続した活動を行うことができません。そのために薬局経営上でのメリットについて考えていきましょう。
在宅を行っている薬局というPRができる
地域包括支援センターへのアピールを行うことで、地域の介護事業所と繋がることができます。それによって在宅を行っている薬局であるということを紹介してもらうことができ、在宅患者の紹介に繋げることができています。
地域と直接つながることができる
地域ケア会議などで多職種とのつながることができます。薬局が地域に直接働きかけることが少ないために地域包括支援センターを通してでないとできないものになります。個々で作るよりも地域包括支援センターが作ろうとしているものに乗っかった方が効率的に高齢者にアプローチが可能です。
以上が地域包括支援センターとの付き合い方です。地域包括ケアシステムに薬局も入っている以上は地域包括支援センターと一緒にやっていく必要があります。何よりも地域包括支援センターの職員さんは薬局に優しいので介護へのアプローチの第一歩として練習に訪問や電話をしてみてください。