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この記事の背景
働き方が多様化している中、従業員の働き方についても考えなければいけません。あなたの従業員が「副業・兼業したい」と相談してきたら、あなたはOKしますか?
兼業・副業に対する現状の理解
兼業・副業の実態
従業員側に着目して兼業・副業の実態をみると、全就業者のうち副業をしている就業者は約 234 万人(3.6%)、副業を希望する就業者は約 368 万人(5.7%)である一方で、従業員を雇用する企業に着目して兼業・副業の実態をみると、兼業・副業に対し、引き続き多くの企業が就業規則等で原則禁止しているなど、慎重な姿勢がみられるそうです。
なぜ副業禁止の企業が多いのか
下記の調査結果からわかるように、「社員の長時間労働・過重労働を助長する」、「情報漏洩のリスク」等の理由から、「兼業・副業を禁止している」企業の割合は 77.2%となっています。
兼業・副業に対してどう考えるか
メリット
企業側から考えるメリット
人材育成
- 従業員が社内では得られない知識・スキルを獲得し、それを社内で活かすことで労働生産性が高まる。
- 兼業・副業先が個人事業(自営)や会社経営であれば、経営者視点を醸成するとともに、リーダーシップ・マネジメントスキルを鍛錬することができる。
- 従業員が、社外でも通用する知識・スキルの習得・研鑽に努めるようになり、自立した社員を増やすこと(自社内でしか通用しない従業員を減らすこと)ができる。
新たな知識・顧客・経営資源の獲得
- 従業員が社外から新しい知識・情報、人脈などを持ち帰ることで事業機会の拡大、イノベーション創出につながる。
- 新たな顧客や事業パートナー(企業、個人)を開拓することで、市場の拡大や社外経営資源の活用が可能となる。
優秀な人材の獲得・流出防止
- 本業の会社を辞めることを求めなくて済むため、結果として個人事業(自営)や自身で会社を起業・経営するような優秀な人材を獲得することができる。また、優秀な人材が退職することなく会社に留まり、本業で活躍し続ける可能性が高まる。
- 非常に優れた高給の人材を、兼業・副業として、雇用シェアすることで比較的低コストで獲得することができる。(受入先企業の場合)
- フルタイム雇用には至らないが、兼業・副業であれば、スポット的に必要となる人材を雇用できる。
従業員側から考えるメリット
所得増加
- 本業以外で所得を得ることができる。
自身の能力・キャリア選択肢の拡大
- 社内では得られない知識・スキルを獲得できる。
- 社外人脈を拡大することで自分自身のキャリアを開発できる。
- 社外でも通用する知識・スキルを研鑽することで労働・人材市場における価値が向上する。
自己実現の追求・幸福感の向上
- 本業で安定した所得があることを活かして、自分のやりたいこと(社会貢献活動、文化・芸術的活動等も含む)に挑戦・継続できる。
創業に向けた準備期間の確保
- 働きながら将来の起業・転職等に向けた準備・試行ができる。
デメリット
企業側から考えるデメリット
本業への支障
- 長時間労働による従業員の心身への影響や生産性の低下など本業への支障が懸念される。
- 成果報酬型契約を除き、兼業・副業を認めても本業に支障がないか、従業員が職務専念義務、誠実労働義務を果たしているかを企業として評価することが難しい。
人材流出
- 人材流出のリスクが高まる可能性がある。
- 能力開発・スキル向上による効果に対する懸念等がある。
従業員の健康配慮
- 従業員の就業時間外の活動について責任所在が不明瞭のため、「企業の管理範囲外」と整理したとしても、万が一の場合には責任追及される法的・風評リスクがある。
- 企業側が従業員の就業時間外の活動のどこまで介入すべきか判断が難しい。
情報漏洩等、様々なリスク管理
- 業務上の秘密漏洩や企業の信用毀損、本業との競業による損害発生等のリスクが高まる可能性がある。
- 就業規則の改正、兼業・副業先と労働時間通算(他社で雇用される場合)、社会保険料や割増賃金等の負担調整などの事務コストが発生することが想定されるが、それに見合うメリットがあるかの判断が難しい。
従業員側から考えるデメリット
就業時間の増加による本業への支障等
- 本業で兼業・副業が禁止されている、あるいは禁止されていなくても兼業・副業が難しい状況である。
- 本業の時間に制約ができるため、短期的には 100%以上の成果を出しにくくなり、本業における評価が低くなる可能性がある。
- 兼業・副業をしていることで、職務専念義務、誠実労働義務が疑われ、本業における信用を失う可能性がある。
本業・副業間でのタスク管理の困難さ
- 本業・副業間でのタスク管理が難しく、業務バランスの維持が難しくなる。
まとめ
これからの時代は副業がOKという職場も増えてくるでしょう。実際に私の会社では副業はOKだと明示していますが、副業をしている社員は今のところは見られておりません。
ドン・キホーテやサイボウズ、オイシックスなどの大手企業でも副業が盛んになっていることからも、人材確保のために副業をOKにして働きやすさをPRすることが、中小企業にも必要になるかもしれません。
実際にスタートする際には就業規則(作成義務を満たさない場合でも)などの書類に健康安全上の注意点や情報漏洩の規定などを盛り込んでおくと良いでしょう。
私個人としては1度きりの人生なのでいろいろな仕事ができる機会があればやっておきたいですね。