独立したいけど、どこからどう考えればいいんだろう…
新卒の場合
新卒の場合には圧倒的なメリットとして、体力・行動力が充実している点が考えられます。若いうちに開業するのはメリットが圧倒的に大きいと考えられます。
若い方の方が柔軟な発想と、既存の価値観に縛られない経営が可能かもしれません。若い方こその感性はIT機器、SNSなど時代に即した経営が可能になると思われます。
新卒でのデメリットとしては上記の2点が考えれます。
当然ながら経験が足りないので、通常業務の中でイレギュラーが生じた際の対応は難しいかもしれません。また、ミスの対応なども慣れていないために、患者離れを起こしてしまう危険性も伴います。
技術料などの知識が足りていないと、自身の薬局の方向性が定まらない危険性もあります。
新卒のために資金力に乏しいため、(薬局譲渡の場合には)魅力的な案件を引き当てるのは困難になるかもしれません。
調剤薬局に勤めている場合
私はこのパターンが最も懸命だと思います。
相談先としての人のつながりもできますし、何よりも経験があるということは今後の潮流を先読みするという点でもアドバンテージになります。
今は調剤報酬の点数が複雑化しているために、経験があることで技術料を少しでも稼ぐことが可能です。算定のポイントなどを理解した上で独立することが重要です。
調剤薬局に勤めているにも関わらず現在の調剤報酬が理解できていない(会社から指示された点数だけを機械的に算定している)薬剤師の方は注意が必要です。会社からの資料ではなく厚生労働省が作成した改定資料を見て、自分自身で理解をしていく力が必要になります。
大企業の人員構成に慣れていると、独立後に人員構成で悩む傾向があります。中小企業は固定費のバランスが重要になるので、大企業とは異なる思考で経営する必要があります。
製薬企業等に勤めている場合
製薬企業MRであれば、会社の規模によりますが、30歳で1000万円くらいの年収が期待できます。仮に薬局開業を目標にしてMRをしているのであれば、節約しながらにはなりますが、5年間程度で開業資金の一部を用意することができるでしょう。
医師との面会頻度が高いので、医師とのコミュニケーションには慣れているために、開業後の営業なども苦になることはないでしょう。また、私自身も医師から「病院を辞めて」という相談を受けたことがあり、大学病院や大病院といった40代前後の医師が多くいるところを担当していれば開業情報をキャッチできることがあります。
調剤業務を理解できていないことが最もリスクです。MRから見た調剤薬局と、実際に働く調剤薬局では忙しさに大きな違いがあります。調剤業務や調剤報酬が複雑化しているので習得まで少し時間が掛かります。
ただ、ホンネを言えば…
個人的にはMRからあえて調剤薬局経営に進む必要はないと思います。大手製薬企業の福利厚生に敵うものはありません。
独立への具体的ステップのまとめ
この3つくらいのパターンが思い当たるでしょう。ちなみに私は3番目でした。
現在の調剤報酬から考えると「複雑化」「実務経験」の2点から調剤薬局からの独立が現実的で理想的だと思われます。
私の場合は2つ失敗したことがあります。
MRを辞めてからすぐに開局したこと
辞めてから行動をしてしまったこと
辞める前から活動を開始しておかなければならないところもあり、辞める前の方が良いことも多くあります。
最初は今の仕事を継続しつつ、事を進めていくのが重要になります。