自家製剤加算ってわかりにくいですよね。嚥下困難の粉砕とは何が違うのですか?
理解しておくと「なぜ自家製剤加算が必要になるのか」「どんな患者が対象なのか」「取りこぼしがないか」確認できるようになるよ
自家製剤加算の算定のポイント
患者の状態の確認
個々の患者に対し市販されている医薬品の剤形では対応できない場合
医師の指示に基づいて行われているか
錠剤を粉砕して散剤とすること
主薬を溶解して点眼剤を無菌に製すること
主薬に基剤を加えて坐剤とすること
薬剤の適応、薬学的に問題ないかの確認
ジェネリック医薬品なども含めて市販されている剤型がないかないか
添付文書などで粉砕不可の記載のある薬剤の粉砕を行っていないか
内服薬→外用、注射→外用への製剤化の時に外用の適応がある製品か
溶解液などがセットされている薬剤は自家製剤加算の対象ではないので注意
意外と多い市販されている剤型
ネオドパストンL100半錠→ドパコールL50
レボセチリジン5㎎半錠→レボセチリジン2.5mg
レニベース粉砕→エナラート散
レセコンなどで最新情報を確保しておいて更新するように注意が必要だよ。ちなみに供給ができなくなって「市場に出回っていないので、市販されている剤型に入らないのではないか」と個別指導の時に言ったら「市場性は関係ない。薬価基準収載の有無で判断するように」と指摘があったよ
割線 or 割線ではない問題
これは自家製剤加算算定のための宿命だと思って、覚えるのではなく都度で判断するしかないかな。チェックするのは下記の部分だよ
これは割線ありませーん。デザインのための線でーす。でお馴染みのミルタザピンの添付文書だよ。剤型のところに15㎎にはフィルムコーティング錠という記載のみ、30㎎には割線入りフィルムコーティング錠と書いてあるね。このように一見すると割線かと思ってしまうものも多数存在するから採用薬で自家製剤加算を算定するときは必ずチェックする癖を付けよう。
自家製剤のプロセスを調剤録に記録
意外と忘れがちなのがこの作業だね。必ず最後にチェックしておくように。
これは個別指導で指摘があったよ。書いていたけど記載が不十分だと言われたので例を教えてもらったよ。
粉砕:A○○㎎を10錠取り、粉砕して20包に分包して、2包を廃棄。1包が□□㎎になるように調剤した。
半錠:B○○㎎を14錠取り、割線に沿って半錠にした。
どういう調剤を行ったのかを書くように指示されているので振り返ったとき同じ調剤ができる必要があるよ。
粉砕した時の加算はどっち?
嚥下困難者用製剤加算で算定するべき項目なのか、自家製剤加算で算定するべき項目なのか迷うところが必ず出てくるので、これは個別指導で質問してみたよ。
驚きの回答だから、もしかすると指導官によって少し考えも変わるのかもしれない。
回答:迷ったら安い方で算定してください。そもそも迷うようなことがあるなら加算は算定しないでください
ウソみたいな本当の話でした
自家製剤加算の流れ
医師の指示を確認→市販されている剤型がないか確認→添付文書を見て製剤化可能かチェック→調剤録に調剤方法を記録
※割線がないものの半錠で調剤が必要な場合なら粉砕すれば算定できるので注意
参考図書
全ての算定の根拠になるので手元に置いておくのをオススメします。