保険の勉強 PR

重複投薬・相互作用等防止加算の算定について

記事内に商品プロモーションを含む場合があります
この記事の背景

重複投薬・相互作用等防止加算を算定する際に最も理解を深めておかなければならないのは「等」という表現です。残薬調整だけでなく、残薬調整以外について算定をできるかで技術料に差が出てきます。

重複投薬・相互作用等防止加算の基本的事項

薬剤服用歴に基づき、重複投薬、相互作用の防止等の目的で、処方医に対して照会を行い、処方に変更が行われた場合は、重複投薬・相互作用等防止加算として、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。

残薬調整に係るものの場合:30点

残薬調整に係るもの以外の場合:40点

残薬調整に係るものって?

その名の通り残薬がある場合に調整を医師に照会して変更になった場合に算定できます。

この点数に関してはハードルは比較的低いと思います。

①残薬をチェックして、②医師に照会し、③変更した日数で調剤という単純な作業です。

ただし!ここを個別指導で指摘されました。

個別指導での指摘事項

複数回に渡り残薬調整だけで算定することのないようにしてください。例えばA薬剤の日数調整を1月にして、B薬剤の調整を2月に、C薬剤の調整を3月に行い、それぞれで重複投薬・相互作用等防止加算を算定してはいけません。1度にすべての薬剤について調整を行うように指導がありました。

残薬調整に係るもの以外って?

下記の3点をまず押さえておきましょう。

  • 併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む。)
  • 併用薬、飲食物等との相互作用
  • そのほか薬学的観点から必要と認める事項

薬学的観点から必要と認める場合というポイントで技術料に差が出ます。平成28年改定での重複投薬・相互作用等防止加算の留意事項の対象拡大をしっかりと押さえておくことが重要です。

平成28年改定での重複投薬・相互作用等防止加算の留意事項

対象拡大に伴って下記の患者も 重複投薬・相互作用等防止加算 の対象として認められました。

  • 過去の副作用やアレルギー歴等による疑義照会
  • 同一医療機関等からの処方箋に基づく疑義照会
  • 年齢や腎機能等を考慮した、過量投与による用量の変更
  • 服薬困難のための剤形変更

薬学的観点から必要と認める場合をどう考えるか

「薬学的な観点から必要と認められる」という言葉を難しく捉え、狭く解釈している方が多くいますが、その必要はありません。言い換えるならば「自己都合以外」で問題ありません。

自己都合とは?

在庫がないので処方変更してもらったなど、薬局側の問題である場合

どのような例で算定を行っているか

■抗生物質を処方されている患者が、過去に下痢の症状が強く出たことを聴取

 ⇒ビオフェルミンRの追加処方を疑義照会し、医師は薬剤の追加を了承

■エリキュース5㎎を服薬している高齢患者の体重減少を聴取

 ⇒60㎏未満になっていたので、減量での処方を提案し、エリキュース減薬に処方の変更

■カロナール500㎎がうまく飲み込めないという患者

 ⇒小型の剤型の選択の必要性があるので、カロナール200㎎とカロナール300㎎の各1錠に変更

私の場合は「薬学的な観点」を薬歴に記載を行っています。そうすることで、なぜこの加算を算定しているかわかるようになります。この算定の根拠を明確にしておくだけで個別指導の際にも有効です。

まとめ

上記の通りで算定の適応範囲は非常に広くなっていることがわかります。薬学的な観点を明確にするだけで、受け身にならず医師に処方提案を行うことができます。40点の点数をしっかりと算定することでトータルの技術料に差が出てくると思います。正しく算定することで、患者満足にも繋がる点数なので医師と連携を取って算定を狙ってみてください。