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経管投薬支援料を算定していますか?

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この記事の背景

簡易懸濁法は胃瘻や腸瘻患者に対しての服薬手段として有用な方法です。また、薬局から医師に情報提供を行うきっかけになり、患者(家族)満足度も比較的高いと感じます。経管投薬支援料だけでなく、その後の服薬情報提供料などとも相性の良い加算だと思います。簡易懸濁法をより戦略的に実施できるようになりましょう。

経管投薬支援料の概要

経管投薬支援料の点数

100点

経管投薬支援料の対象患者

経管投薬支援料は、胃瘻若しくは腸瘻による経管投薬又は経鼻経管投薬を行っている患者に対して、簡易懸濁法による薬剤の服用に関して必要な支援を行った場合に算定する。

当該加算に係る服薬支援は、以下の場合に患者の同意を得て行うものであること。

  • 保険医療機関からの求めがあった場合
  • 家族等の求めがあった場合等、服薬支援の必要性が認められる場合であって、医師の了解を得たとき
個別指導の際のチェック事項

患者の同意を得ているという旨を薬歴に残しておく必要があります。医師の指示、了解があるかどうかは疑義照会の結果などが反映されているかチェックしておいてください。

簡易懸濁法について理解を深めよう

簡易懸濁法とは

投与時に錠剤・カプセル剤をそのまま約55℃の温湯に入れて崩壊・懸濁させる方法です。簡易懸濁はこれだけです。

簡易懸濁法のメリット

『経管での投与の方に対して、粉砕で対応しているから簡易懸濁法なんて手間になることをやらないで大丈夫です』という声も聞こえてきそうですが、実はこれは全くの逆だと思っています。1度やってしまえば圧倒的に簡易懸濁の方が利便性が高いです。

簡易懸濁法の方が利便性が高いと感じるポイント

確認事項が少ない

粉砕法を用いる場合には、その薬剤が粉砕した際の安定性が保てるか(粉砕できるか)を調べた後、懸濁がうまくできるかなど性質のチェックが必要になりますが、簡易懸濁を用いることで「簡易懸濁が可能な薬剤かどうか」という1点だけ調べれば良くなります。

保存性

粉砕法で提供した場合には、長期間の保存に対しては変質などの可能性がある。光や温度、湿度などの患者サイドの環境に気を遣う必要性がある。

用量調整

粉砕法の場合では薬の変更、減薬などがあった際に作り直しが必要になり、場合によっては粉砕したものすべてを廃棄してゼロから作らなければならなくなる。簡易懸濁では錠剤で提供するために、処方後の変更などにも対応することができる。

投与の簡便性

粉砕法で溶解(懸濁)したものは注射器から出なかったり、チューブが詰まったりなど周辺環境にも気を使わなければなりませんが、簡易懸濁を用いることでその点の注意はほとんど考えなくても良くなります。

簡易懸濁法のやり方

簡易懸濁法のやり方は各種のwebサイトに記載があるので参考にしてください。どの方法もほぼ同じような感じですが、その中で使用する道具などに少しの違いが出る場合があります。

このような「けんだくん」を用いると簡易懸濁が簡単になるという意見も見受けられていますので検討しても良いかもしれません(個人的には値段が…)


私の場合には器具がなくてもできる方法を提案していたのでシリンジ法で説明を行っていました。

詳しい内容はコチラ

シリンジ法をザックリと解説

1.55℃の温湯を作成

ポットの湯と水を 2:1 の割合で混ぜる

2.シリンジの中に錠剤・カプセルを入れる

一緒に入れない薬品もあるので、その点だけ注意してください

3.シリンジで55℃の温湯を吸い上げて振盪させる

先端を押さえてこぼれないように注意

4.シリンジの中の錠剤・カプセルが崩壊して均一になっているか確認し注入

閉塞防止のために少量の水でフラッシュを実施

経管投薬支援料の算定を始めてみましょう

下記のポイントを振り返って算定を始めてみましょう。

□ 医師の指示(了承)の確認

□ 患者の同意を得て、薬歴に同意を記載

□ 簡易懸濁ができる薬剤のチェック

□ 患者(家族)に簡易懸濁の方法を指導

□ 経管投薬支援料の算定:100点

そしてこの点数は服薬情報提供料にもつなげることができます。簡易懸濁のスタート1週間後くらいにフォローを実施して、服薬の状況を把握しておくようにしましょう。服薬情報提供の際にはコンプライアンスや理解度をチェックして、このまま簡易懸濁でいけそうなのか、粉砕に戻す方が良いのか医師に提案を行うようにしましょう。

まとめ

個人的な意見にはなりますが、インターネットに情報が溢れているので、その薬剤の安定性や簡易懸濁の可否などはある程度調べられると思います。そのために書籍などは必要ないと思っています。ただし、インターネット上の情報は不確実なので、情報の正確性が担保されていないと気がすまないという方は下記の書籍なども検討してください。