働きすぎて精神が削られていませんか?時間に追われていませんか?
そんな方も大丈夫です。それは能力がないのではなく、時間の使い方がまだうまくできていないだけなのです。下記の記事は私がMRのときに受けた研修と私が読んだ著書「7つの習慣」から作成しています。これを理解するだけで劇的に働き方がうまくなります。知って損はない内容です。
時間管理のマトリックス
第1領域
問題・課題の領域緊急度も重要度も高い領域。納期直前の作業や顧客からのクレーム対応など、即時対応が必要となるもので、何よりも先に着手しなければならない領域です。
調剤薬局の仕事で考えると、外来患者の対応、緊急時の在宅訪問などが当てはまると思います。
第2領域
質の高い領域重要ではあるが、すぐに対応しなくてもよい領域。中長期計画の策定、人材育成、技術開発などがこれにあたります。即時に成果に結びつかないものの、企業の将来を左右する、ビジネスの根幹となる活動の領域です。
調剤薬局の仕事で考えると、トレーシングレポートの作成や処方提案、退院時カンファレンスの参加、地域ケア会議や担当者会議、服薬後のフォローアップなどが当てはまると思います。また薬歴に関しても状態変化のあった患者の薬歴はこの領域に当てはまるのではないかと思います。全体的には患者への介入業務がメインです。対人業務として注目されているような「時間や人が足りないからできない」と言いがちなのがこの領域です。
第3領域
見せかけの領域緊急度が高いものの、重要ではない領域。それほど重要でない電話や突然の来客への対応などが入ります。
調剤薬局の仕事で考えると、発注や棚卸、一包化の作成などが当てはまると思います。また状態変化のないようなDO処方の患者の薬歴に関してはこの領域に当てはまるのではないかと思います。全体的にはどちらかというと機械化で補えることが多い対物業務と言われるようなものがメインになります。
第4領域
ムダな領域。緊急でも重要でもない領域。将来の役に立つことがほとんどない、時間の浪費ともいえる領域です。
調剤薬局の仕事で考えると、エリアマネージャーや管理薬剤師に対する陰口が当てはまります。というのは冗談です。社内資料を煌びやかに作成したり、社内報告書を作成したり、社内接待をしたりが当てはまります。抽象的な表現をすると「誰のためにやっているかわからない仕事」は全て当てはまります。
なぜ働きすぎてしまうのか
なぜ働きすぎてしまう、働いていることに疲れを感じてしまうのか、これは第一領域と第三領域が増えすぎているからです。緊急性が高い仕事ばかりに追われてしまい、自身の時間をうまく使うことができなくなってしまいます。
時間マトリックスの見方の再確認
時間マトリックスに自身の仕事を置いたときに、どの順番に仕事をしなければならないかすぐに思い浮かぶでしょうか?第一領域が優先順位が高く、第四領域が優先順位が低いことはすぐにわかると思います。
どんなに面白くない仕事も期限内に終わらせなければならない
第二領域と第三領域と比較したときには、社会人は必ず第三領域を優先しなければならないルールがあります。どんなに小さなことでも期限内に終わらせることができないのはプロの仕事ではありません。つまり期限が迫っている順に作業を進行させる必要があります。
第一領域→第三領域→第二領域→第四領域 の順序を崩すことはできません。
そして起きてしまう「追われるループ」
第一領域→第三領域→第二領域→第四領域の順に仕事を進めていくと、よく「追われるループ」が発生します。特に新人に起きやすい現象ではあります。どういうことかというと、 第一領域→第三領域 に時間を割いている間に本来は自由な発想で時間を掛けて患者のことを考えて結論を出す第二領域がいつのまにか第一領域に変化してしまうのです。
緊急性がないがなかった仕事も、時間の経過によって緊急性が出てきてしまいます
すると第一領域では時間を思うように掛けられず、追われる仕事が増えてしまいます。納得できない結論を導くことが多くなり、さらに追われることに対するストレスが重圧となります。このストレスのループを起こすことで「思っている仕事ではない」という理想と現実のギャップが大きくなり精神を病んでしまいます。
理想の形に近づけることができるか
ほとんどの薬剤師が第二領域の重要性は理解しているともいます。時代は対物から対人と言われています。まさに第二領域こそが薬剤師が時間を掛けて考えなければならない重要な領域です。頭を使って個々の患者の状況に対応するために、時間は掛かるがやりがいは高く、さらに自己成長にも繋がる領域です。
どうすれば第二領域を広げられるか
第2領域を広げる(第二領域の仕事を増やす)ためには2つの方法が考えられます。1つが縦軸を右に動かす、もう1つが横軸を下に下げる、この2つです。
緊急性があるものの処理を早くする
これは縦軸を右に動かすために考える事項です。どうすれば緊急性の高いものの量を減らせるかを考えます。すると処理を早くするしかありません。
具体的にはタイピングを早くする、メールの返信をすぐに行う、社内資料は白黒でシンプルに、仕事の仕上がりを7割くらいとして決めるなど意外と解決策は多くあります。
タイピングを早くする
パソコンのタイピングは仕事の効率化の第一歩です。どうしてもなかなか早くならない場合には「単語登録機能」などを用いて薬歴などでよく使う言葉を登録しておくと良いと思います。
メールの返信をすぐに行う
メールが貯まると「どのメールに返信しなくてはいけないのか」と考える時間が無駄な時間になってしまいます。常にメールボックスはゼロに、迷惑メールフォルダもゼロにしておくことが抜けを防止します。
社内資料は白黒でシンプルに
装飾をするのは余裕があるときだけで大丈夫です。社内へのアピールよりも大切なことは山ほどありますし、白黒を気にするくらいなら内容にこだわりましょう。
仕事の仕上がりを7割くらいで完成に
完璧主義者ほど仕事が遅くなります。妥協点を見つけられるのも重要なポイントです。10割で遅い人と7割で早い人では後者の方が評価されます。
重要でないものの仕事を減らす
これは横軸を下に動かすために考える事項です。どうすれば重要でない業務を減らせるかを考えます。
新入社員は特にこの点についてしっかりと理解しましょう。第二領域をやるための時間を確保して、それ以外の仕事は周りに助けてもらいましょう。第三領域の仕事は簡単なので新入社員もやってしまいがちになります。第二領域の仕事にどのくらい時間を掛けたいかを考えて30分掛かるのであれば、30分を捻出するために第三領域の仕事をすべて助けてもらいましょう。
そして第四領域の仕事(雑務)をお願いされることもあります。その際には第二領域の仕事が残っていることを上司に伝えて、断る勇気も持つようにしてください。雑務を断ると嫌われるのではないかという不安もあると思います。しかし、嫌われるのは第二領域の仕事もないのに雑務を断る人だけです。第二領域の仕事をやっている以上は断っても大丈夫です。(第二領域の仕事がないときは、新人は積極的に雑務に従事しておくと周囲から絶対に好かれます。好かれると仕事もしやすくなるので雑務も新人は大切な業務です)
もし、それでも第三領域の仕事量が多くて困っているのであれば、その時は機械の導入を行いましょう。機械での処理を行うことで業務時間の短縮になり、さらにやらされる業務量の減少に繋がります。
まとめ:時間の管理はいかがでしょうか
今日の記事はあくまでも仕事の話です。プライベートは基本的に第四領域で大丈夫です。
11月になると仕事を始めて半年という方も多くなると思います。仕事に対する疲れが出てきたり、理想と現実とギャップを感じたりという時期に差し掛かっていると思います。もう一度振り返りを行って自分がやりたい仕事(第二領域)がきちんとできる環境が取れているか確認を行いましょう。上司の立場の方はその第三領域をフォローできるように仕事を整理してあげましょう。
以上です。仕事を楽しむ基本は第二領域を充実させることです。
ご興味を持っていただければ、私の好きな本なので原著からさらに深い理解を得てください。