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面調剤の魅力を伝えたい

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面分業調剤を始めてから7年になりました。

私が大学生のときに「薬剤師も医師と同じように人を集められるのではないか」と考えていましたが、時代は点分業(門前調剤)がほとんどであまり面調剤というのはメジャーではなかった気がします。しかし、私自身は面調剤だったら薬剤師として働いてもいいかもしれないと思っていました。その結果、まずMRになり、紆余曲折ありつつ、やはり面調剤での出店で独立・転職をしました。

私が管理薬剤師をしているのは近くに処方箋を出す医療機関がない住宅街にポツンと薬局がある形の薬局です。同じ面調剤でもドラッグストアタイプの面調剤ではないことをご留意ください。

7年間で感じたメリットをいくつか挙げたいと思います。

面調剤の魅力

人と人とのつながりを感じられる

私の薬局では私のことを「先生」とか「薬剤師さん」という人はほとんどいません。名字に「さん」付けで呼ばれます。佐藤さんみたいな感じです。個人的な感想ですが、地域に馴染めている感じがします。

あるときに患者さんが亡くなってしまいました。私のところにも風の噂でなんとなく届いていました。数日後にその患者さんの家族の方が薬局まで挨拶に来てくれました。患者さんの家族から「薬局にいるお兄さんが親切にしてくれているからありがとうと伝えてほしい」と本人から言われていたと聞きました。泣きました。

地域に愛されて、地域とともに成長することができるのがメリットです。

知識の偏りが生じない

複数の診療科の処方箋が集まってきます。内科、小児科、精神科、整形、泌尿器、産婦人科等様々です。私は勉強するときに対象がないとモチベーションが上がらないので、各患者がモチベーションアップの対象になります。日々の勉強を活かせる場が実臨床であるのはありがたいことです。

時間に追われることもない

幸か不幸か、私の面調剤の環境上、急性期の患者さんはほとんど来ません。慢性疾患の患者さんが9割になります。そのために季節的に忙しくなるということがありません。経営的には急性期もあった方が良いのかもしれませんが、年間通してほぼ波のない来局者数です。

患者の波がないということは急激に忙しくなることがありません。次から次に人が来て患者を「捌く」という感覚での仕事はありません。色々なクリニックから一定のリズムでくる感じです。1人当たり10分くらいで見ていても十分なくらいです。

残業してまで患者を待たなければならないこともありませんし、仕事が溜まって薬歴などでてんやわんやになることもありません。勉強する時間もこのようにブログを書く時間もとれます。

念のためですが、決してヒマなわけではありません…

医師とのしがらみがない

イヤな医師と働くこともありません。命令されても従う必要がありません。疑義紹介などをしても怒られることもありませんし、処方提案などに臆する必要もありません。

と上記のようなことは門前でもそうそうあるとは思えませんが、保険点数上でメリットがあります。距離が離れているので、定期的に文書での医師とのコミュニケーションが必要になります。つまり、服薬情報等提供料1・2服用薬剤調整支援料1・2の算定回数が多くなります。

前述した通り時間に追われることがないので、報告書や減薬の提案書の作成の時間がじっくり取れます。処方提案などは書類作成に少し時間が掛かるのでなかなか手を付けられていない方も多いのではないでしょうか。

医師のところに面談に行くと、医師からの評判が良いので驚きます。意外と門前は忙しくてこういった時間が取れないのかもしれません。患者を中心とした情報のやり取りは、医師にとっても無駄な時間ではないようです。これらの活動によって、医師からは好印象を得られているので、こちらからの処方提案などはスムーズに聞き入れられることも増えています。

好きな人だけが来る

私にとって最大のメリットかもしれません。

基本的に私や事務、薬局の雰囲気が嫌いな人は来ません。そのためにトラブルが非常に少ないことが特徴です。例えば、薬が不足しているときに怒る人、調剤が遅くなって怒る人などはほぼいません。

不思議なことに『自分のことが好きな人のことを好きになる』という意識が私にも働きます。そのために口先だけでアドバイスをしたりすることもありません。お互いが求め、それに応じる形ができているので、薬剤管理だけではなくトータルの管理がしやすくなります。もちろんですが、かかりつけ薬剤師の話をするとほとんどの方がOKしてくれています(急性期の方や、継続した薬の管理などが必要ない方には声を掛けていませんので、その点はご留意ください)。患者さんのためにも処方提案が積極的になります。

患者さんは全員が私のことが好きだし、私は来てくれる患者さんが全員好きです(そう思っているだけの一方通行かもしれませんが、こう思えるだけでも働いていて幸せだと思いませんか?)

余談ですが、多くの患者さんがお菓子とかアイスとか野菜とか差し入れをしてくれます。不思議です。

まとめ

皆さん、いかがでしたでしょうか。自身の働いている現場と比較して環境はどうでしょうか。

薬剤師の中では「面調剤」は少しずつ魅力的になっていると思います。面調剤は様々な点でメリットのある業務形態だと思っています。将来性という点において門前薬局を否定するわけではありません。私の経営している4店舗のうち2店舗は完全な面調剤、1店舗は集中率50%前後のやや門前よりの薬局、もう1店舗は医療モール型ですので、色々な形態を見ています。ただ、門前薬局と比較して面調剤薬局であれば自分で仕事をコントロールできるので、その薬剤師の想いなどを色濃く反映させることができると思っています。

最後になりますが、「やってみたいけど、面調剤での独立は成功しない」と思っている方、そんなことありません。私自身が(今のところ)成功しています。独立には「保険」「薬学」「経営」の3つの柱が重要になるので一緒に学んでいければ幸いです。これからもよろしくお願いします。