個別指導の際に必ず聞かれるものの1つです。管理薬剤師に問われることもあれば、開設者に問われることもあるので、店舗で店舗で対応を統一しておくと良いでしょう
お薬手帳持参とお薬手帳忘れの違い
薬剤服用歴管理指導料 処方箋受付1回につき
① 3カ月以内に再来局(かつ 手帳による情報提供) 43点
② ①、③、④以外 57点
③ 特別養護老人ホーム入所者 43点
④ 情報通信機器を使用 月1回まで、各加算は算定不可 43点
お薬手帳に関する決まりに関して
手帳を忘れたとき、初診時で持っていない場合の対応は保険調剤において記載事項などが明確にされています。そのために手帳を忘れて57点の算定を行うためのハードルが上がるので注意が必要です。保険調剤では下記のように定められています。
ウ 手帳
(イ) 「手帳」とは、経時的に薬剤の記録が記入でき、かつ次の①から④までに掲げる事項を記録する欄がある薬剤の記録用の手帳をいう。
① 患者の氏名、生年月日、連絡先等患者に関する記録
② 患者のアレルギー歴、副作用歴等薬物療法の基礎となる記録
③ 患者の主な既往歴等疾患に関する記録
④ 患者が日常的に利用する保険薬局の名称、保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等
(ロ) 手帳については、患者に対して、手帳を活用することの意義、役割及び利用方法等について十分な説明を行い、患者の理解を得た上で提供することとし、患者の意向等を確認した上で手帳を用いないこととした場合にあっては、その理由を薬剤服用歴の記録に記載する。なお、手帳を活用しているが、持参を忘れた患者に対しては、「注1」のただし書の点数を算定することになる旨説明するとともに、次回以降は手帳を持参するよう指導すること。
(ハ) (3)のウの手帳への記載による情報提供は、調剤を行った全ての薬剤について行うこととする。この場合において、「服用に際して注意すべき事項」とは、重大な副作用又は有害事象等を防止するために特に患者が服用時や日常生活上注意すべき事項、あるいは投薬された薬剤により発生すると考えられる症状(相互作用を含む。)等であり、投薬された薬剤や患者の病態に応じるものである。
(ニ) 手帳による情報提供に当たっては、患者に対して、保険医療機関を受診する際には医師又は歯科医師に手帳を提示するよう指導を行う。また、患者が、保険医療機関や他の保険薬局から交付されたものを含め、複数の手帳を所有していないか確認するとともに、所有している場合は患者の意向を確認した上で、同一の手帳で管理できると判断した場合は1冊にまとめる。なお、1冊にまとめなかった場合については、その理由を薬剤服用歴の記録に記載する。
(ホ) 患者が手帳を持参し忘れた場合は、手帳に追加すべき事項が記載されている文書(シール等)を交付し、患者が現に利用している手帳に貼付するよう患者に対して説明することで、既に患者が保有している手帳が有効に活用されるよう努めるとともに、当該患者が次回以降に手帳を持参した場合は、当該文書が貼付されていることを確認する。
(へ) 電子版の手帳については、「お薬手帳(電子版)の運用上の留意事項について」(平成27 年11 月27 日薬生総発第1127 第4号)の「第三 運営事業者等が留意すべき事項」を満たした手帳であれば、紙媒体の手帳と同様の取扱いとする。その際、保険薬局においては、同通知の「第二 提供薬局等が留意すべき事項」を満たす必要がある。
(ト) 手帳の媒体(紙媒体又は電子媒体)は患者が選択するものであり、手帳の提供に当たっては、患者に対して個人情報の取扱い等の必要事項を説明した上で、患者の意向を踏まえて提供する媒体を判断すること。
(チ) 紙媒体の手帳を利用している患者に対して、患者の希望により電子版の手帳を提供する場合には、電子版の手帳にこれまでの紙媒体の情報を利用できるようにするなど、提供する保険薬局が紙媒体から電子媒体への切り替えを適切に実施できるよう対応すること。
エ その他
(3)のエ残薬の状況の確認に当たり、患者又はその家族等から確認できなかった場合には、次回の来局時には確認できるよう指導し、その旨を薬剤服用歴の記録に記載する。
お薬手帳に関してそれぞれの対応まとめ
お薬手帳を持っている場合
過去のお薬手帳をチェックして、43点を算定する。
お薬手帳を忘れてしまった場合
持参を忘れた患者に対しては、「注1」のただし書の点数(57点)を算定することになる旨説明するとともに、次回以降は手帳を持参するよう指導
帳に追加すべき事項が記載されている文書(シール等)を交付し、患者が現に利用している手帳に貼付するよう患者に対して説明することで、既に患者が保有している手帳が有効に活用されるよう努める
当該患者が次回以降に手帳を持参した場合は、当該文書が貼付されていることを確認
初診なのでお薬手帳を持っていない場合
患者に対して、手帳を活用することの意義、役割及び利用方法等について十分な説明を行い、患者の理解を得た上で提供する
患者の意向等を確認した上で手帳を用いないこととした場合にあっては、その理由を薬剤服用歴の記録に記載