転職を勧める5つの理由
転職を迷っている方、転職はまだ考えていないけど今の働き方に不満のある方など様々な人がいると思います。私自身が薬剤師の方の転職をなぜ勧めているかについて5つの理由を解説します。
勤務年数に対する年収のアップが見込めない
まずは金銭面のメリットについてです。下記のグラフをご覧ください。これはm3に以前掲載された女性薬剤師の年収の推移について、年齢を横軸に、平均年収を縦軸に取ったもの、もう一方は平均年収.comからMRの年収を年齢階層別に解析し、横軸と縦軸を同様に取ったものを並べたものです。
異なるサイトから抽出しているために縦軸の差を意識することはありません。問題点としてはグラフ自体の傾きです。MRは20~50まで大きな傾きを示しているのに対して、薬剤師の傾きが小さいことがご覧頂けると思います。つまり、薬剤師は現在の環境で年収のアップが見込めないことが読み取れます。
念のためですが、男性薬剤師も全く同じ結果になります。
この事実に関しては、既に実感がある方も多いのではないでしょうか。
大手だから安定というのは幻想になりつつある
大手チェーン薬局はあるべき姿として、国が望むものを叶えなければなりません。国が望むものとは、最も点数の高い地域支援体制加算の対象となる薬局です。さらに点数には直接の反映がないにしても、健康サポート薬局としての機能が求められるはずです。上場企業には社会的な責任もありますので当然の目標になるでしょう。
これを叶えるために必要なのは莫大な人件費です。つまり大手はさらに人件費を負担しなければいけません。実際にアインHDでは2016年に5,511人だった従業員が、2020年には8,406人に推移しています。薬剤師の数ではないので注意が必要ですが、人数が必要なことはわかって頂けると思います。
一方で店舗数は開店と閉店をしながら、2016年に1,000店舗、2020年に1,150店舗となっています。
もちろん店舗は増えているので、「売上高は20年連続増収!」とホームページにも書かれています。しかし、純利益は2018年決算からやや鈍化の傾向が見られています。この数字は人件費だけでなく、営業利益以外の要素も多かった影響も考えられます。
この状況で1人当たりの賃金アップを会社が検討してくれるのでしょうか。国内最大手で勢いのあるアインHDでさえこのような状況です。これから予想される調剤報酬の収入悪化を見越した際に薬剤師増+賃金アップで働きやすい環境を作ってくれるわけがありません。
そこでこれから起きる大手のトレンドは以下に絞られます。
調剤業務は機械で代替し、不要な人材はサヨナラ
なぜ大手のトレンドなのかというと機械の導入には資金力が必要だからです。人件費以上に機械が働いてくれるなら、過剰になりつつあるコストを抑えに行く可能性は大いにあります。
そのときにリストラ対象になっていませんか?
この章で伝えたかったは「大手だからといって企業が安定しているわけではない」ではなく「大手だからと言ってそこに属している社員が未来永劫の安定があるわけではない」ということなのです。
薬局の形態の分化が進んでいる
私の場合は大学生のときに「薬剤師が人を集めることもできる」という妄想を抱いていたので、開業するときには面分業調剤でしか開業しないと心に決めていました。そして面調剤で独立しました。
今までの薬局はDrと1対1での開業がほとんどでしたが、今の環境は変わりつつあります。
門前でやりたい人、面でやりたい人、癌患者を接したい人、小児を専門的にやりたい人、在宅に取り組みたい人と働きたい環境は様々になります。しかし、ほとんどの薬剤師はなんとなくでその場に配属されています。
転職のメリットは働きたい理想の職場を探せることです。転職エージェントではその点まで相談に乗ってくれます。どんな診療科なのか、在宅をしているのか、○○な患者はいるのかなど具体的なところまで相談することができることで「入職してみたら思ってたんと違うわ」がなくなります。
自己学習で小児薬物療法認定薬剤師など取得し、その経験を活かして、好待遇で転職を得るなども可能になります。また、取りたい認定に合わせて転職後の職場を選ぶのも良いでしょう。
自分自身の理想とする薬剤になるために、理想の職場から再スタートしませんか?
薬剤師であればたとえ転職に失敗しても次が見つかる
転職の相談を受けることがあります。薬剤師以外にも受けます。男性からも女性からも受けます。
そのときに薬剤師のメリットをとても感じます。それは
薬剤師であるというだけで、転職に失敗してもやり直すことができる
ある工学部のA君から転職の話を聞きました。A君は元々システムエンジニアとして働いていて年収550万でした。友人から誘われた中小企業のシステム会社の責任者として600万で転職をしましたが、その会社は軌道に乗らずに年収は480万に下がってしまいました。そこから彼は転職を試みましたが、最初に貰っていた550万での再転職先を見つけるのは難しかったとのことです。
これが一般の転職の実態です。これを聞いてしまうと「転職した方がいいよ」なんて気軽に言えません。
しかし、薬剤師は全く違うのです。
異なる点は以下の2つです。
1.最低賃金の基準が高い
2.次の転職に関して障壁は少ない
薬学部が増えていて「いつか人が余るよね」ということは言われていますが、まだまだ地域によっての差が多くあるのが事実です。首都圏大都市は高水準は少なくなりますが、少し外れるだけで中小の薬局の紹介もゴロゴロと転がっています。それも年収600~700万前後という高水準でも見つけることができます。
そしてこの転職先に何か問題があったり、給与などで不満があれば次を探せばよいのです。ずっと働きたくないという縛られたくない人には、派遣という手段もあります。この派遣薬剤師でも高水準の年収が狙えるのはこの業界の特徴です。
男性も女性も転職することに対して障壁が少ないので、転職エージェントに連絡をしたりしながら、次のより良い職場を探しておくことが重要になります。
ただし、良い案件はすぐに取られてしまいます。薬剤師のベテランの人も、新卒の薬剤師も転職エージェントには早めに登録して来るべき時期に対応できるようにしてきましょう。
転職エージェントが優秀かつ信頼できる
薬剤師の転職業界は大手が充実しています。私の薬局もすべての店舗で大手からの紹介しか受けていません。
実は中小の小規模の紹介会社を利用したことがあるのですが、契約金を騙し取られるという事案が発生した事件がありました。1週間しか出勤をしない紹介者が辞めるとなったことに対して、パワハラで会社に行けなくなったために契約金の払い戻しはできないと、一方的に契約金を騙し取られました。90万くらいでしょうか。あの会社はたぶん詐欺ですね。その他にも紹介会社を紹介するという謎の営業に50万騙し取られました。経営者としての資質不足ですね。悲しい気分になりました。
そんなこともあり大手しか取り扱わないことにしました。
大手のメリットは
1.契約金がしっかりしている
2.仲介会社が事前に面談に来るなど会社の状況を汲んでくれる
3.求める人材と紹介できる人材のマッチングを行ってくれる
4.面接会場まで足を運んで、一緒に話を聞きながら、応募者側の補足をしてくれる
このようなを実際にやってくれるのです。会社と応募者の間に入ってくれることで入職後もトラブルなく進められるということもあります。自分自身では見つけられないような求人を見つけることができ、サポートまでしてくれるので書類などの不要な手続きも最小にすることができるでしょう。
また、転職市場のトレンドもわかるので、大手の転職エージェントと連携をしっかりすることで、理想の職場に出会えるかもしれません。
以下におすすめのエージェントのリンクを用意しておきますので、登録することに損はないと思います。